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◉矢沢永吉「成りあがり」


この人はいったい、今まで何を聞いてきたのだろう?
ずっと疑問に思っていたが、本が書かれた1980年当時、
自分で購入したのはたった4枚のみ。
ビートルズ、バリー・ホワイト、ナタリー・コール、井上陽水。
でもビートルズ以外の3枚は好きで買ったわけではない
(バリー・ホワイトは自らの意思で購入したが、すぐに飽きたらしい)。
好きなのはバート・バカラックやフランシス・レイ。とてもロマンチスト。

それでいて野心家。
ビートルズには取り仕切るブライアン・エプスタインがいたが、
自分らにはブライアンがいないから、矢沢永吉自らが人や金を動かす。

己が全てであり、オリジナルであり、希有な存在理由が分かったような気がします。

私が好きな曲の中に「アリよさらば」がありますが、
矢沢永吉の人生観をうまく表してると関心していたら、
作詞が秋元康でした。

「ちっぽけな角砂糖に集まるアリ」

この世の中のアリのような群衆にはなってたまるかと、
反旗を振りかざす矢沢永吉の「成りあがり」人生を
秋元が面白い比喩で表現していると思います。