32年振りに村松友視「私、プロレスの味方です(合本)」を読了。
現在では至極当然のプロレス論がつまらないのは仕方がないが、
エピソードを語る部分の描写はさすがは直木賞作家、
グイグイ引き込まれ、昨今反乱する暴露本や研究論では味わえないプロレス物語だ。
他に付随しない着眼点の妙味、
エゲつなく大人の事情に踏み込まず、
旨い地酒や冷えたビールを味わうがことく、
ひとつの興行を語る際の流れるような文体。
音楽評論家ではない片岡義男が、
どの音楽評論家より音楽の快楽を豊かに表現出来るのも同様、
本は優れた文章を持って初めて人を感動させる。
裏の裏を取るための取材に拘り、
他人の家に土足で入るがごとく真実を描くことが
良書とされる昨今、
村松が描いたファンタジーとはほぼ遠い。
故に、プロレス論、云々はさておき、
「私、プロレスの味方です」は名著として挙げたい。
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