井原高忠「元祖テレビ屋ゲバゲバ哲学」第一章で断念。

先日お亡くなりになられたテレビ創世記からの大物プロデューサー、
井原高忠さんの著書「元祖テレビ屋ゲバゲバ哲学」を読みました。

私にとって井原高忠さんは小林信彦の著書等でお馴染みの方。
それだけ興味を持って、読み始める。

しかし、彼の家柄がハイソであり、上から目線、
私が30年生活した筑豊炭坑の成り上がりを小馬鹿にした第一章で気分を害してしまった。

私の年代(40代前半)で井原氏に最もなじみ深いのは「とんねるず」の命名だ。
今でこそ、彼らの芸が本物であり、違和感を感じないのだが、
当時流行の「B&B」「ツー・ビート」「ざ・ぼんち」に比べて、
随分古くさい名前だと感じた。
「お笑いスター誕生」で、「タカ&ノリ」が改名して再チャレンジした第一回を観て思ったことです。

当時放映していた「うわさのチャンネル」も「スター誕生」も「24時間テレビ」も観ていなかった。

後半に「ヒッチコック・マガジン」で連載されていた
「ショウほど素敵な商売はない」の再録は凄く興味がある。
趣味人である井原氏のミュージカル評や映画・音楽評は読んでみたい。

ただ「成り上がり」的なものや「根性」が好きな私の性分、
「遊びの延長で猛烈に仕事をやったので苦痛を感じない、
好きでもないことに頑張ってる人の気が知れない」
みたいなことを書かれた第一章で読む気が完全に失せました。
(もちろん血の滲むような情熱で、
仕事に取り組んだ照れの裏返しによるジョークだろうけど)
ダイレクトにハートに直撃する言葉の力はそうそう覆らない。
ついに、読むのを断念。

ともかく氏が手掛けた「ザ・ピーナッツ」「とんねるず」「11PM」「カリキュラマシーン」は
日本テレビ界における突出した才能だけに成せた業であり、これだけの敏腕、我が強いのも当たり前。
この本が好き嫌いがは別として、産んだ作品自体には大好きなものも多いのは事実。
「とんねるず」は今もって私めの最高のアイドルです。

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