音楽本だけを販売する専門店を作りたいのですが、
二年程売れていない、古い伝記本や全く知らない評論家の本なんて、
誰が買うのかと棚を見て思う。
でも、何にせよ専門店は作ってみたい。
それがネット上でも店舗でも。
さて音楽本ですが、今までかなりの数を読んできましたが、
こんな本が入荷したら嬉しい本を数冊程選んでみました。
いずれも読み漁ってボロボロになった本ばかりです。
「ブライアン・ウイルソン自叙伝―ビーチボーイズ光と影」
天才ブライアンが堕ちて行く姿を緻密に記した怪書。
狂気に満ち溢れた音楽製作の行く末に廃人と化すが、徐々に立ち直って行く。
音楽本と人間ドラマが両立した希有な一冊。
トッド・ゴールドとの共著でブライアンが実際どこまで文章に携わったかどうか分からないが、
細やかな表現力も音楽同様緻密ではかなく美しい。
ちなみ写真を掲載しているが、僕の持ってる初版本、
水の中から半分顔を出す表紙の方が数倍優れている。
「ワークス・オブ・エルヴィス」
どれだけ出ているか分からないプレスリーのレコードを
越谷政義氏の詳細なデータとレビューで一曲づつ紹介した労作。
日本では偉大さがイマイチ伝わっていないエルヴィスだが、
この本を片手に一枚、一枚聞いていくことを強くお勧めする。
エルヴィス本には良書が多い。
「ELVISを夢見て―日本の中のプレスリー伝説」
エルヴィスのリアル・タイムでの日本での扱いが事細かく書かれている。
日本人もエルヴィスの衝撃、凋落、復活をアメリカ人と同じく感じていたことが分かった。
「魅惑のエルヴィス=その素晴らしき世界」
ロックの元祖、ロカビリー歌手、ルーツ音楽とプレスリーではなく、
純粋にエンターテイナー、エルヴィス・プレスリーを紹介した楽しいマニア本。
本当にプレスリーを愛してる人にはこの本を推す。
「ぼくはプレスリーが大好き」。
今、手元にはないのだが、片岡義男の名著。
内容は忘れてしまったが、当時プレスリー・ファンでなかった僕でさえハマった。
片岡義男は文学作家でもあるから、音を文章にするのがとても巧い。
音楽ではないが村松友視もプロレスの試合を文章にするのが巧い。
やはり一流文学作家の文章のレベルは比じゃない。
「音楽を聴く」
音楽文章家としての片岡義男を知りたければ読んでほしい。
「なんだかんだでルンバにマンボ」
中村とうようの本では資料性が一番高い。
これでコロンビアやハイチ、プエルトリコ等の資料性皆無の国の音楽に
接する際とても役に立った。
「歯に衣着せぬ」とうよう節も十分味わえる。
「USブラック・ディスク・ガイド」
「ブルースCDガイド・ブック」
黒人音楽の入門には最適な二冊。
紹介されてるアルバムも半端なく多い。
手垢まみれの二冊。
これで救われた?ことも数々。
得体の知れないジャケのライトニン・ホプキンスのレコードが
クレジットとこの本でいつの時代のどういう録音だか分かったりとか。
「大衆音楽としてのジャズ」
大量に出されているジャズ本の文章はクレジットと誰々の演奏が素晴らしい。
これだけでは何もつまならい。
その点、中村とうようはモダン・ジャズをあえて傍らに、
ジャズの源流とその流れを組む前衛ジャズをテーマに
モダン・ジャズと現代のジャズの問題点を浮き彫りにした。
結果としてジャズ全体を見渡すことになり、
ジャズ本に陥りがちな名盤ガイド化が避けられ、
音楽ジャンルとしての「ジャズ」に対する問題提訴がなされている。
このジャンルには珍しい「気骨のある」評論集だ。
「100枚のジャズ・ヴォーカル」
購入して日が浅く、そんなに読んでいないのだが
「ジャズ名盤ガイド」の類では大橋巨泉が良い文章を書く。
表現豊かな文章で、さすがはテレビ界のドン。
単なる「ジャズおたく」で終わる輩でないのが伝わってくる。
ロック、ソウル、R&B、ラテン、ジャズ、etc
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