今年読んで一番面白かった本です。
2016年に出された本ですが、
「瀬川昌久自選著作集1954-2014: チャーリー・パーカーとビッグ・バンドと私」
これほど発見が多い本はなかったです。
西海岸のジャズ、クール・ジャズを作り上げた白人たちが、
黒人ジャズに挑んだ記録が記されています。
特にリロイ・ジョーンズのような問題定義をするわけでなく、
ご自身で体験したことをそのまま書かれてる文章が、
白人ジャズのスタイル形成を描いており、
肩の凝らない文章で、とても好奇心を沸かせます。
この本でスタン・ケントン、ウディ・ハーマン、
リー・コニッツなどジャズ史でピンと来ない人たちの立場が分かり、
一括りでビッグ・バンドやクール・ジャズなど言えないことが分かりました。
そして、ギル・エヴァンス&マイルス・デイビスの
「クールの誕生」や「マイルス・アヘッド」からのギル=マイルス三部作が
名盤になり得たのか、この本を読んで、
出てくるミュージシャンを聞けば聞くほど分かります。
やはり、当時を知る人の本は研究本やルポの類より圧倒的に面白いし、
スイングしています。
瀬川昌久さん日本のジャズも良いけど、
この辺のジャズについての本も出してください。
実体験したのは、日本ではあなただけです。
売れてないんだろうな。
なぜ、日本のジャズばかり興味を持たれて、
海外ジャズは研究対象にならないのだろう。
海外ジャズはガイド本ばかりだし。
若い人はYouTubeで「菊地成孔vs瀬川昌久」聞いて、
瀬川昌久入門してください!
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