YouTubeで簡単に観れちゃうんですね。
フランク永井も出演の歌謡映画「西銀座駅前」。
52分の短編ながらさすがは今村昌平。
便宜上、歌のシーンもふんだんに交えながら、
狂言回しで登場のフランクが月から顔を出したり、
コケティッシュな堀恭子の漫画チックな小芝居、
ラストなんぞラテン風に反復するパーカッションをバックに
メロディー無視でフランクに「西銀座駅前」を歌わせるなど、
飽きさせることない演出は単なるプログラム・ピクチュアにしては前衛的。
オープニングから洒落ている。
ドラムの連打からはじまるジャズ・アレンジ強めの「西銀座駅前」。
フランクだけでなく、酔っぱらい、夜の女、果ては不二家のペコちゃん人形にまで歌わせる。
キャストを電光掲示板で映し出すのもセンス良し。
ラブ・シーン(未遂)では過度な露出が禁じられた時代を逆手にとった、
チラリズムのお色気が実に艶ややか。
俳優も良い。女房の尻にひかれる冴えない表情が抜群の柳沢真一と、
女房のスパイとして雇われた小悪魔的な堀恭子。
声質と喋り方ががチャーミング。
顔立ちが普通なので、小品ではヒロイン役だが、大作で脇役なのは仕方がない。
効果的に使われる印象的な音楽は、なんと前衛音楽の巨匠「黛敏郎」。
若き巨匠達の才能が最後のオチまでぎっしり詰まっている。
タイアップありきの作品を、手を変え品を変え、
お客さんを楽しませながら、制作側も実験的な演出を試みる。
理想的なプログラム・ピクチャー。
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